大学のある三島市の北、
富士山寄りに位置する御殿場市の『神場山神社』には
境内に大小様々なハサミが奉納されている珍しい神社があるというので、
訪ねてみました。
今から700年程前に、山仕事に従事する樵たちによって
山の安寧を祈念して祀られたと伝わっています。
境内まで行くには、一度沢に降りてから階段を登るのですが、
神社の森には樹齢200年以上もの木が生い茂り、
また、沢底には池や御神木があり、
古来の山神社の形がそのまま残っているようなイメージでした。
沢の水は御神水です。
沢へ下る途中には
瘤をなでると病気が直るとされている御神木がありました。
清涼な空間を経てたどり着いた神場山神社の境内は、
とてもきれいに清掃されていました。
古くて小さい石碑がところどころにまとめられ
この神社の歴史の古さを今に伝えています。
今回ここを訪れるきっかけとなった御奉納ハサミは、
お堂の横の社に祀られていました。
<ハサミの由来は以下のとおりです>
病気の治癒を祈願する時に、
この「疫病を断ち切り、邪心を摘み取る」と云われるハサミを借りて行き、
全快すると借りたハサミをひとまわり大きくして返す習わしがあるため
このようなたくさんのハサミが残っているのだそうです。
お堂の中にも奉納されていました。
神殿前に掛けられた鈴や、境内に結ばれたおみくじの様子から、
今でもたくさんの人がここにお参りしているのがわかります。
この日は地域の方(氏子)が二人社務所にいらしたので
お話を伺ったのですが、
この神社は、毎日氏子が交代で常駐しているそうで、
今ではそのように地域の氏子が大切にお守りしている神社は
他所にはあまりないようだとのことでした。
そしてまた、この神社は「藤の花」の名所としても有名なのだそうです。
さて、幹線道路にあるこの神社への入口には、
大きな鳥居が建っています。
この鳥居をくぐって、車で2分ほどゴルフ場を分け入ると
沢の入口にたどり着きます。
鳥居の傍には、解体された古い鳥居が置かれていて、
大正時代や以前からあると思われる碑や灯籠があったので、
昔はここを入口として、神社の社本体は
山の奥深くであったことが忍ばれます。
古の山神社信仰の形を今に伝える神場山神社は
246バイパス神場南交差点から車で7分、
大学キャンパスから車で50分くらいです。